
第8回中国国際輸入博覧会が11月5日に上海で開幕し、ジェトロは「酒から始まる新たな世界の発見」をテーマに148社・270品目超を紹介する「JAPAN MALL」ブースを設けました。出展企業数は前年の約3倍で、日本から中国への食品・酒類輸出の回復が背景にあります。
概要
第8回中国国際輸入博覧会(CIIE)が2025年11月5日、上海市青浦区の国家会展中心(上海)で開幕しました(会期は11月10日まで)。主催は中国商務部と上海市人民政府で、農産品・食品、自動車、テクノロジー、消費財、医療機器、サービス貿易などの分野で構成されています。
日本貿易振興機構(ジェトロ)は、同博覧会に日本企業をとりまとめて出展する日本で唯一の機関として、2018年の第1回から8年連続で参加しました。今回は食品展示エリア(8.1号館)に約450平方メートルの「JAPAN MALL」ブースを設け、「酒から始まる新たな世界の発見」をテーマに148社による270品目以上の商品・サービスを紹介しました。出展企業数は前年の約3倍に上ります。
背景
ジェトロによると、日本の農林水産物・食品の対中輸出は2022年以降減少傾向にありましたが、2025年1~8月の累計は1,166億円と前年同期比で約1割増加し、回復の兆しが見られます。また、2024年には中国が日本酒、焼酎・泡盛、清涼飲料水の最大の輸出先となっていました。
前回の第7回博覧会には、152の国・地域・国際機関から3,496社が出展し、来場者は約85万2,000人に上ったとされます。今回の第8回には155の国・地域と国際機関が参加したと報じられています。
主なポイント
- 酒類・食品エリア:日本酒、焼酎・泡盛、ウイスキー、梅酒・リキュール、ビール、ワインのほか、菓子などの加工食品を展示し、120品目以上で試飲・試食を実施しました。報道によると、展示品のうち約190品目が日本酒でした。
- ステージ:日本食普及の親善大使による料理実演、沖縄の三線演奏、日本の花に関するセミナー、中国人シェフによる日本食材と日本酒のペアリング実演などを行いました。
- 自治体エリア:日本政府観光局(JNTO)と北海道、岩手県、横浜市、石川県、福井県、愛知県、福岡県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県の10自治体が特産品や観光の魅力を発信しました。
- 商談の継続:来場バイヤーを、ジェトロが2022年10月に開設したWeChat上のオンライン商談プラットフォーム「日本商務館(China Japan Street)」に誘導し、会期後も通年で商談を支援します。同プラットフォームには2025年10月時点で日本企業1,300社以上、商品9,000点以上、中国バイヤー4,000社以上が登録しています。
現地報道によると、ジェトロ上海事務所の担当者は、中国で日本酒の認知度が高まり、消費者の嗜好も多様化していると述べ、その嗜好に合った商品提案が課題だとの認識を示しました。日本酒の対中輸出額は110億円を超えるものの、中国の白酒市場と比べれば規模は小さく、若い世代、特に女性の関心が高まっていると紹介されています。
日本・深圳の交流への意味
輸入博は上海で開催されますが、華南地域を含む中国各地のバイヤーや輸入商社が集まる場でもあり、深圳をはじめとする広東省の流通・小売関係者にとっても日本産品と出会う機会になっているとみられます。深圳は越境EC(電子商取引)や新しい小売業態が盛んな都市で、オンライン商談の仕組みと組み合わせることで、日本の中小食品・酒類メーカーが華南の消費市場にアプローチする経路が広がる可能性に注目が集まっています。
今後の見通し
ジェトロは会期後もオンライン商談や中国の飲食店向け販促などを通じて日本企業の対中展開を支援するとしています。今回の出展による成約額など最終的な成果については、今後の公表が待たれます。
促進会より
日本の食や酒文化を中国の消費者に届ける取り組みは、経済だけでなく文化交流の面でも意義があると考えます。当会は引き続き関連動向を注視し、日本と深圳の企業が出会い、情報を交換できる場の提供に努めてまいります。
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