
財務省は2025年10月22日、2025年度上半期(4~9月)の貿易統計速報を発表しました。対中国の輸出は9兆2,622億円(前年同期比2.1%減)、輸入は12兆8,919億円(2.9%増)で、赤字は3兆6,297億円に拡大。輸入ではパソコンなど電算機類や通信機が増えました。
概要
財務省は2025年10月22日、令和7年度(2025年度)上半期(4~9月)の貿易統計速報を発表しました。日本全体の輸出額は53兆6,533億円で前年同期比0.2%増、輸入額は54兆8,771億円で3.2%減となり、差引は1兆2,238億円の赤字でした。このうち対中国では、輸出が9兆2,622億円(2.1%減)、輸入が12兆8,919億円(2.9%増)で、対中貿易赤字は3兆6,297億円と前年同期から18.3%拡大しました。
背景
中国は日本にとって最大級の貿易相手国であり、とりわけ輸入面での存在感が大きくなっています。今回の統計でも、中国からの輸入額は米国からの輸入額(6兆3,893億円)の約2倍に上りました。一方、日本からの輸出では、対米国が9兆7,115億円(10.2%減)と大きく減少し、対中国輸出(9兆2,622億円)との差が縮まっています。中国を含むアジア全体では、輸出が29兆3,920億円で3.1%増と4期連続で増加し、半導体等電子部品などが伸びました。アジア向け全体が増加する中で、対中輸出が減少に転じた点が今回の特徴の一つといえます。
期間中の為替レート(税関長公示レートの平均)は1ドル=146.1円で、前年同期の153.15円と比べ4.6%の円高でした。為替や国際的な通商環境の変化が、品目ごとの動きに影響しているとみられます。
主なポイント
| 区分 | 金額 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 対中輸出 | 9兆2,622億円 | 2.1%減(4期ぶりの減少) |
| 対中輸入 | 12兆8,919億円 | 2.9%増(3期連続の増加) |
| 対中差引 | ▲3兆6,297億円 | 赤字18.3%拡大 |
| 輸出全体 | 53兆6,533億円 | 0.2%増 |
| 輸入全体 | 54兆8,771億円 | 3.2%減 |
- 対中輸出の増加品目:原料品が29.6%増加しました。
- 対中輸出の減少品目:半導体等製造装置が10.2%減、非鉄金属が19.4%減、自動車が9.0%減となりました。
- 対中輸入の増加品目:パソコンなどの電算機類(周辺機器を含む)が18.3%増、通信機が8.9%増、音響映像機器(部品を含む)が5.9%増でした。
- 数量と価格:貿易指数で見ると、対中輸出は数量が4.8%減、価格が2.8%上昇。対中輸入は数量が8.3%増える一方、価格は5.0%低下しました。
日本・深圳の交流への意味
中国からの輸入で伸びが目立った電算機類、通信機、音響映像機器は、深圳とその周辺の珠江デルタ地域が世界的な生産・供給拠点となっている分野です。統計は国別の集計で地域別の内訳は示されていませんが、深圳の電子産業と日本市場との結びつきの強さをうかがわせる結果とみられます。輸入数量が増える一方で価格が下がっている点からは、日本の消費者や企業にとって、中国製の電子機器が引き続き身近な調達先となっていることが示唆されます。
一方、日本からの輸出では、半導体等製造装置や自動車が減少しました。深圳を含む華南地域の日系製造業やサプライチェーンにとって、設備投資や需要の動向をどのように見極めるかが課題になるとみられます。原料品の輸出が増加した点にも注目が集まっています。全体としては、貿易の品目構成が変化しつつも、サプライチェーンを通じた両国経済の結びつきが依然として強いことがうかがえます。
今後の見通し
今回の数値は速報値であり、今後の確報で修正される可能性があります。通商環境や為替の変化が下半期の日中貿易にどのような影響を与えるかは、現時点では見通せません。品目別の詳細な動向は、今後公表される月次統計で確認する必要があります。
促進会より
当会は、日中間の貿易動向が深圳と日本の企業活動に与える影響に関心を持ち、関連する統計の動きを注視しています。今後も、会員の皆様の事業に役立つ情報の提供に努めてまいります。
本記事は公開情報をもとに作成した参考情報です。内容の正確性・完全性を保証するものではありません。

