
深圳市は2025年3月12日、外資系企業の投資拡大と地域本部設立を対象とする奨励措置の通知を公表しました。2023・2024年に実際の外資が5,000万ドル以上増えた企業に増資額の1〜3%、1社最大5,000万元を支給し、地域本部の設立には500万元を奨励します。
概要
深圳市は2025年3月12日(水)、外資系企業による現地投資の拡大と地域本部の設立を奨励する措置の実施に関する通知を公表しました。環球時報の報道(中国国際輸入博覧局サイトに転載)によると、主な内容は次のとおりです。
- 2023年と2024年に新たに増えた実際の外資額が5,000万ドル以上の外資系企業に対し、業種区分に応じて増加分の最大3%・2%・1%を奨励金として支給します(金融業・不動産業は対象外)。
- 奨励金の上限は1社当たり5,000万元(約689万ドル)です。
- 2023年と2024年に実際の外資額1,000万ドル以上で広東省・深圳市に地域本部を設立した企業には、500万元を奨励します。
背景
中国政府は2025年2月に外資安定化に向けた行動計画を公表し、外資系企業の国内借入による資金調達の制限緩和などを打ち出しました。3月の全国人民代表大会で示された政府活動報告でも、生産要素の利用、許認可、標準策定、政府調達における外資系企業の内国民待遇を確保する方針が示されています。
深圳市はこれに先立つ3月3日、ビジネス環境整備に関する三つの作業計画を発表し、通信、インターネット、教育、医療、ビッグデータ、AIなどの分野で外資の参入機会を拡大するとともに、2025年の実際の外資利用額を500億元超とする目標を掲げていました。2024年に深圳で新たに設立された外資系企業は9,738社で、前年比21.7%増と中国の都市で最多でした。同じ週には広州市南沙区も外資のビジネス環境改善に向けた18項目の措置を公表するなど、各地で外資誘致の動きが続いています。
主なポイント
中国日報(China Daily)の3月19日の報道によると、この政策は深圳市商務局と深圳市投資促進局が共同で発出した文書に基づくもので、外資奨励に加えて企業の海外展開支援も含まれています。
| 対象 | 内容 |
|---|---|
| 外資の増資 | 増加分の1〜3%、1社最大5,000万元 |
| 地域本部の設立 | 500万元の一時奨励 |
| 海外での建設プロジェクト | プロジェクト収入に応じ最大200万元 |
| 海外投資・提携 | 法務・財務・保険費用の50%、最大2,000万元 |
深圳市商務局の葉文戈副局長は、深圳を世界の投資家にとって第一の選択肢とすること、国際的な資本の集積拠点を築くこと、研究機関や人材を引き付ける開放的な技術環境を整えること、国際人材への魅力を高めることを戦略の柱として説明したと伝えられています。
日本・深圳の交流への意味
深圳や華南地域には、製造・販売・調達拠点を構える日系企業が数多くあります。今回の措置は既存の外資系企業による追加投資や、地域統括機能の設置を後押しする内容であり、拠点戦略を検討する日本企業にとって判断材料の一つになるとみられます。
同時に、深圳企業の海外投資や海外プロジェクトへの支援も盛り込まれており、日本市場への進出を検討する深圳企業にとっての後押しにもなり得ます。双方向の投資を促す政策の組み合わせとして、関係者の注目が集まっています。なお、適用要件や申請手続きの詳細は、各企業が当局の公表資料で確認する必要があります。
近年、外資誘致をめぐっては中国各地の都市が競い合うように支援策を打ち出しており、深圳の今回の措置もその流れの中に位置づけられます。日本企業にとっては、奨励金の有無だけでなく、市場規模、サプライチェーン、人材、行政サービスの質などを総合的に比較検討することが重要とみられます。深圳は電子情報や新エネルギー車などで完結した産業チェーンを持ち、香港に隣接して国際市場とつながる立地も外資系企業が重視する要素です。政策が透明かつ簡便に運用されるかどうかも、投資環境の評価を左右するとみられます。
今後の見通し
奨励金の申請期間や審査の進め方など、運用の詳細については報道の範囲では明らかではありません。深圳市が掲げる2025年の外資利用目標の達成状況とあわせて、今後の運用が注目されます。
促進会より
当会は、深圳の外資関連政策について引き続き情報収集に努め、会員の皆さまと共有してまいります。日本と深圳の企業が互いの市場への理解を深める場を、今後も提供してまいります。
本記事は公開情報をもとに作成した参考情報です。内容の正確性・完全性を保証するものではありません。

