
深圳市龍崗区で12月26〜30日に「2025ロボット技能大会」を開くことが12月19日に発表されました。同市では12月13日に地下鉄駅でAI盲導犬ロボットの試行運用が始まり、広東省はロボット「フレンドリー」実証区の枠組みも公表するなど、ロボット産業の実装に向けた動きが相次いでいます。
概要
2025年12月19日、深圳市で「2025ロボット技能大会」の記者発表会が開かれ、同大会を12月26日から30日までの5日間、深圳市龍崗区で開催することが明らかにされました。新華社の報道によると、大会は新華社ブランド工作弁公室、新華社広東分社、新華網が主催し、龍崗区人工知能(ロボット)局が共催します。香港中文大学(深圳)、深圳市人工知能・ロボット研究院などが支援機関として名を連ねています。
深圳ではこの前後、ロボットを実際の社会の場面で活用する動きが相次ぎました。12月13日には深圳地下鉄がAIを搭載した盲導犬ロボットの試行運用を開始し、同日には広東省が「ロボット・フレンドリー」実証区の枠組みを公表しています。
背景
新華社によると、深圳市には人工知能(AI)関連企業が2,000社以上、ロボットの中核企業が1,000社以上集積しており、同市の「20+8」産業クラスター政策のもとで育成が進められています。龍崗区だけでもロボット産業チェーン関連企業は700社を超え、同区がこれまでに公開した677件の活用シーンの需要に対して218件のプロジェクトがマッチングされ、協力総額は30億元を超えたとされています。
広東省全体でも、産業用ロボットの生産量は全国の4割超を占め、5年連続で全国首位とされています。2025年1〜10月の同省の生産量は、産業用ロボットが約26万200台、サービスロボットが約1,284万台に達しました。
人型ロボットの商用化も進みつつあります。報道によると、中国では2025年1〜10月に人型ロボット5,700台分の取引受注があり、深圳の優必選科技(UBTech)は2025年9月に2億5,000万元の受注を獲得しました。人型ロボットの単一契約としては世界最大規模とされています。
主なポイント
- ロボット技能大会:テーマは「智創未来・技領全球」。工業、医療・健康、緊急対応の3つの応用シーンのもと、スマート倉庫物流、高精度工業組立、医療・介護、低空、具身知能(エンボディドAI)システム、ロボット芸術パフォーマンスの6部門を設けます。技術計画の審査と実際のシーンでの評価を組み合わせて審査し、産学研マッチングや技術移転の商談会なども併催されます。
- 地下鉄の盲導犬ロボット:12月13日、福田区の黄木崗交通ハブで試行運用を開始。愛称は「小蒜(シャオスワン)」で、深圳地下鉄は軌道交通業界で世界初の取り組みとしています。音声指示で目的のサービス拠点まで案内し、障害物の回避や点字ブロックの追従などの機能を備えます。最初の1か月は専任スタッフが同行し、成果を踏まえて他駅への拡大を検討するとしています。同社の全485駅ではバリアフリー設備が整備済みです。
- ロボット・フレンドリー実証区:12月12〜14日に広州で開かれた粤港澳大湾区AI・ロボット産業大会で、広東省の具身知能訓練場「1+1+N」の枠組みが公表され、中核となる訓練場を深圳の具身知能実証エリアに置くとされました。閉鎖環境での訓練の後、街区の公道で実環境に近い訓練を行う構想です。
日本・深圳の交流への意味
日本は産業用ロボットの分野で長い実績を持つ企業が多く、深圳を中心とする広東省はロボットの一大生産拠点となっています。介護・医療やバリアフリー、物流などは高齢化が進む日本でも需要が大きい分野であり、深圳での実証の取り組みには日本の関係者からも関心が寄せられるとみられます。
一方、実社会でロボットを運用するには、安全性の検証や利用者への配慮、制度面の整備が欠かせません。深圳での試行がどのような手順で進められ、どのような課題が見えてくるのかは、日本の企業や自治体にとっても参考になる点が多いと考えられます。
今後の見通し
ロボット技能大会は12月26日から30日まで龍崗区で開催されます。地下鉄の盲導犬ロボットは1か月の試行を経て、他駅への展開が判断される予定です。ロボット・フレンドリー実証区の具体的な開設時期や対象エリアの詳細は、現時点では明らかにされていません。
促進会より
当会は、深圳におけるロボット・AI分野の動向を引き続き注視してまいります。日本と深圳の企業・研究機関の皆さまの交流に役立つ情報の提供に努めてまいります。
出典
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