
深圳税関は11月20日、2025年1~10月の深圳の輸出入総額が3兆7,400億元となり、中国本土の都市で首位を維持したと発表しました。輸入は6.8%増、外資系企業の輸出入は13.2%増となり、リチウム電池の輸出は35.6%増と大きく伸びました。
概要
深圳税関は2025年11月20日、2025年1~10月の深圳市の輸出入総額が3兆7,400億元に達し、中国本土の都市の中で引き続き首位となったと発表しました。内訳は輸出が2兆2,700億元、輸入が1兆4,700億元で、輸入は前年同期比6.8%増となりました。深圳特区報が報じ、深圳市政府のウェブサイトにも11月21日に掲載されました。
背景
深圳は電子機器を中心とする製造業と物流の集積を背景に、長年にわたり中国有数の貿易都市となってきました。2025年は世界的な通商環境の不確実性が続くなかで、輸出の伸びが鈍る一方、輸入や保税物流が堅調に推移している点が特徴です。
深圳には電子部品や機械、素材などを供給する日系企業も多く進出しており、同市の貿易動向は日本企業のサプライチェーンや華南ビジネスにも関わる指標の一つとして注目されています。
主なポイント
貿易方式別
| 区分 | 金額 | 前年同期比 | 構成比 |
|---|---|---|---|
| 一般貿易 | 2兆元 | — | 53.5% |
| 保税物流 | 1兆元 | 7.2%増 | 26.8% |
| 加工貿易 | 7,179億1,000万元 | 2.4%増 | 19.2% |
企業形態別
- 民営企業:2兆5,600億元(全体の68.5%)
- 外資系企業:1兆500億元(13.2%増、全体の28%)
- 国有企業:1,258億8,000万元
主要品目
- 機械・電気製品の輸出:1兆7,200億元(4%増、輸出全体の75.7%)
- コンピューター・同部品:2,639億6,000万元(9.6%増)
- 音響・映像機器・同部品:755億9,000万元(6.5%増)
- リチウム電池:700億6,000万元(35.6%増)
- 3Dプリンター:67億5,000万元(19.8%増)
- 医療機器:251億2,000万元(5.5%増)
- 機械・電気製品の輸入:1兆2,000億元(8.5%増、輸入全体の81.6%)
- 農産品の輸入:822億6,000万元(10%増、輸入全体の5.6%)
上位10の貿易相手との輸出入額は合計2兆9,300億元(1.9%増)で、全体の78.5%を占めました。なお、発表資料では相手国・地域別の内訳は示されておらず、日本との貿易額は確認できません。
貿易方式別にみると、輸入した部品を加工して再輸出する加工貿易の比率は2割弱にとどまり、一般貿易が半分以上を占めています。保税区などを経由する保税物流も伸びており、深圳の貿易が組み立て拠点型から、多様な取引形態を持つ構造へと変化していることがうかがえます。リチウム電池の輸出が大きく伸びた背景には、EVや蓄電システムなど新エネルギー関連産業の拡大があるとみられます。コンピューターや音響・映像機器といった従来の主力品目が伸びを保つ一方、3Dプリンターなど新しい品目も高い伸びを示しており、輸出品目の多様化も進んでいます。
日本・深圳の交流への意味
外資系企業の輸出入が13.2%増と全体を上回る伸びを示したことは、日系企業を含む外資系企業が深圳の貿易で引き続き一定の役割を果たしていることを示すものとみられます。また、リチウム電池や3Dプリンター、医療機器など付加価値の高い品目の輸出拡大は、深圳の産業構造の高度化を反映しているとの見方があります。
機械・電気製品の輸入が8.5%増となったことも、高機能部品や製造装置を供給する日本企業にとって関心の高い動きといえます。一方で、品目ごとの需要や通商環境の変化が各企業に与える影響は一様ではなく、個別の動向を丁寧に見ていく必要があるとみられます。
今後の見通し
深圳税関は今後も月次で統計を公表する予定で、年間の実績は2026年初めに明らかになる見込みです。通年で前年を上回るかどうか、また輸出の伸び悩みと輸入の堅調さがどう推移するかが注目されます。
促進会より
深圳の貿易統計は、両地域の経済交流の現状を知るうえで基本となる情報です。当会は引き続きこうした経済データや政策の動きを注視し、会員の皆さまをはじめ日本と深圳の関係者に役立つ情報の共有に努めてまいります。
本記事は公開情報をもとに作成した参考情報です。内容の正確性・完全性を保証するものではありません。

