
深圳市グリーン電力・グリーン証書サービスセンターは7月14日、2023年11月から2026年5月までに市内企業向けの取引規模が累計503.03億kWhに達したと発表しました。製造業や輸出企業のESG開示や海外での低炭素審査への対応に活用されています。
概要
2026年7月14日、深圳市グリーン電力・グリーン証書サービスセンター(深圳市緑電緑証服務中心)は、2023年11月から2026年5月までの間に、同センターが深圳市内の企業向けに仲介・サービスしたグリーン電力およびグリーン電力証書の取引規模が累計503.03億kWhに達したと発表しました。中国新聞社が同日報じました。
同センターの試算では、500億kWhのグリーン電力は、大型の高密度液冷式AI計算センター100カ所分の年間電力使用量に相当し、二酸化炭素排出量を4,000万トン以上削減する効果があるとしています。
背景
同センターは2023年11月に設立された、政府の授権を受けた中国初のグリーン電力・証書の専門サービスプラットフォームです。再生可能エネルギー由来の電力の需給をつなぎ、調達から証書の取得、活用までを一貫して支援する体制を整えてきました。
中国ではグリーン電力証書(緑証)制度の整備が進められており、企業が再生可能エネルギーの利用を証明する手段として重要性が高まっています。輸出比率が高く、海外の取引先と緊密なサプライチェーンを持つ深圳では、製品の環境負荷を示すことが受注や取引継続の条件となるケースが増えているとされ、企業の需要が拡大してきました。
また同じ週の7月17日には、全国の「ブルーカーボン取引連盟」が深圳で発足しました。2025年に自然資源部と国家林業・草原局が深圳の自然資源分野の改革深化を支援する措置を出したことを受けたもので、沿海各省のほか北京、湖北、重慶などを含む156の会員機関が参加しています。深圳が環境関連の市場づくりで先行的な役割を担おうとしている様子がうかがえます。
主なポイント
- 取引規模:2023年11月〜2026年5月の累計で503.03億kWh。
- 環境効果:CO2排出削減は4,000万トン超と試算。
- 主な利用者:ハイエンド製造業、輸出入企業、公共施設など。
- 活用の内容:1,000社を超える主要企業が、規則に適合したグリーン証書を用いてESG情報開示やグリーンサプライチェーン認証を完了し、海外の低炭素審査にも対応しました。
- 裾野の拡大:グリーン電力の消費は大企業から、イベント主催者や新エネルギー車の所有者などへと広がり、市民の低炭素消費の機運も高まりつつあるとしています。
- 今後の取り組み:省内外のクリーンエネルギー調達ルートの拡大、デジタルサービス基盤と商品の高度化、市・区の2層サービス網の整備、大型イベントのグリーン開催や家庭での購入などの場面づくりを進める方針です。
日本・深圳の交流への意味
深圳や華南地域には、電子部品や機械、自動車関連などで多くの日系企業が生産拠点を置いています。日本の本社や海外の取引先から、再生可能エネルギーの利用状況や製品のCO2排出量の開示を求められる場面は今後も増えるとみられ、現地で正式なグリーン証書を調達できる仕組みの整備は、日系企業にとっても実務上の選択肢を広げるものと考えられます。
一方、日本でも港湾や沿岸の藻場などによるCO2吸収を評価する「Jブルークレジット」などの取り組みが進んでおり、ブルーカーボンの算定方法や取引ルールをめぐる知見の交流にも関心が寄せられる可能性があります。脱炭素分野は、日本と深圳の企業・研究機関が協力しやすいテーマの一つとして注目が集まっています。
今後の見通し
同センターは調達先の拡大やサービスの高度化を進めるとしていますが、具体的な数値目標や時期は公表されていません。グリーン証書の国際的な認証との整合性や、海外の取引先がどこまで受け入れるかについても、引き続き動向を見守る必要があります。ブルーカーボン取引連盟も、取引制度の改革や標準化、国内外との交流の深化を掲げていますが、具体策は今後の発表を待つ段階です。
促進会より
当会は、脱炭素やグリーン産業をめぐる深圳の制度や市場の動きを引き続き注視してまいります。会員の皆様をはじめ、日本と深圳の関係者が情報を共有できる場の提供に努めてまいります。
本記事は公開情報をもとに作成した参考情報です。内容の正確性・完全性を保証するものではありません。

