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一般社団法人 日本深圳総商会

Shenzhen × Japan — 2026.06.10

深圳、高度120m以下の低空空域を全市で常態的に開放

深圳特区報などは2026年6月10日、深圳市で高度120メートル以下の低空空域が全市域で常態的に開放されたと報じました。飛行可能空域は市域の75%に及び、標準化された離着陸地点は1,284カ所、1日平均の低空飛行は2,700回を超えています。

概要

深圳特区報の報道を引用したIT之家は2026年6月10日、深圳市で高度120メートル以下の低空空域が全市域で常態的に開放されたと伝えました。飛行に適した空域は市域面積の75%をカバーし、福田区、南山区、羅湖区といった中心市街地も常態的な飛行管理の対象に含まれました。市内にはすでに1,284カ所の標準化された離着陸地点が整備され、1日平均の低空飛行は2,700回を超えているとされています。

背景

中国では、ドローンや電動垂直離着陸機(eVTOL)などを活用した「低空経済」が新たな成長分野として位置づけられ、各地で関連政策が打ち出されてきました。深圳市は世界的なドローンメーカーであるDJI(大疆創新)の本拠地であり、早くから物流配送や観光、点検などの分野で実証や商用化を進めてきました。報道では、今回の全域開放は、従来の「制限区域が多く、限られた場面にとどまる」状況を打ち破るもので、低空経済が単一の政策主導によるモデル事業の段階から抜け出しつつあることを示すものだと位置づけています。

主なポイント

項目内容
開放範囲高度120メートル以下、全市域で常態的に開放
飛行適合空域市域の75%
離着陸地点標準化された地点1,284カ所
監視インフラ通信・センシング一体型の5G-A基地局約1万カ所
飛行回数1日平均2,700回超
関連企業上下流の企業1,900社超
  • 物流ルート:豊翼科技(Phoenix Wings)と深圳美団が、市内の低空貨物ルート310本と都市間の専用ルート8本を開設しています。
  • 日常的なサービス:医療用の緊急医薬品・機器の輸送、住宅地への生鮮食品配送、オフィスビルへの食事配達、公園での緊急物資輸送などが常態化しているとされています。
  • 産業基盤:深圳は世界で最も整ったドローンのサプライチェーンを持ち、主要部品を1時間圏内で調達できるとされています。消費者向け・産業用ドローンの製造でいずれも先行しており、DJI、豊翼科技、東部通航などが代表的な企業として挙げられています。

日本・深圳の交流への意味

日本でも物流の担い手不足や過疎地での配送、インフラ点検などを背景に、ドローンの活用に関心が高まっています。都市部で大規模に低空飛行を運用する深圳の取り組みは、空域管理や離着陸拠点の整備、監視システムの構築などの面で、日本の自治体や企業にとって参考になる事例として注目が集まっています。また、部品から完成品までがそろう深圳のサプライチェーンは、日本の部品・素材メーカーやサービス事業者にとって協業の可能性がある分野とみられます。一方で、制度や安全基準は国ごとに異なるため、実際の連携に当たってはそれぞれの規制への丁寧な対応が求められると考えられます。

深圳の取り組みの特徴は、飛行ルートや離着陸地点といったハード面の整備に加え、5G-A基地局を活用した「空・天・地一体」の監視体制を構築している点にあるとされています。物流、医療、飲食など生活に身近な分野で日常的な運航が行われていることから、低空経済が実証段階から実用段階へ移りつつある事例として、国内外から関心が寄せられているとみられます。産業面でも、上下流の企業が1,900社を超える集積が形成されており、低空経済のビジネスモデルを知りたい海外の企業や機関にとって、深圳の運航データや管理の経験は一定の参考になると考えられます。

今後の見通し

報道では、全域開放後の具体的な安全管理の運用細則や、有人のeVTOLによる旅客輸送の時期などについては触れられていません。飛行回数の拡大に伴う騒音やプライバシーへの配慮、事故時の対応ルールなどがどのように整備されるかも、今後の注目点となります。

また、機体の認証や保険制度、操縦・運航人材の育成といった関連制度の整備状況も、産業の発展のスピードを左右するとみられます。日本の企業や自治体にとっては、こうした制度面の動きもあわせて把握しておくことが有益と考えられます。

促進会より

当会は、深圳の低空経済をはじめとする新しい産業の動きについて、引き続き情報を共有してまいります。今後も、日本と深圳の企業や関係者が技術や知見を交流できる場づくりに努めてまいります。

本記事は公開情報をもとに作成した参考情報です。内容の正確性・完全性を保証するものではありません。

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